斡旋の旧厚生OB「責任感じる」 年金指南、密接に
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投資顧問会社「AIJ投資顧問」の年金資産消失問題で、AIJと企業年金との「つなぎ役」を旧厚生省OBが務めていた実態が2日、明らかになった。「どういう投資をしていたかは分からなかった。欺かれた」。OBはAIJが虚偽の運用実績をうたって勧誘していたことへの関与を否定し、浅川和彦社長らへの怒りを見せた。ただ「口利きと言われれば、そうかもしれない。結果的に見れば責任を感じる」と反省の弁も述べた。
浅川社長と出会ったのは平成14年ごろ。浅川社長が「年金を対象に運用したい」と尋ねてきたことがきっかけでアドバイス役を務めるようになった。
OBは旧厚生省をそれより以前の2年に退職。その後、都内の年金基金常務理事に就任すると、さまざまな金融商品などを組み合わせて運用、高収益を狙う「オルタナティブ投資」を年金運用に導入する研究を進め、業界で名を知られる存在になっていた。浅川社長はその評判を聞きつけ接触してきたとみられる。
OBは当時の印象について「年金制度には全くの素人だったが、年金運用を一生懸命やりたいという意欲を感じた」と語った。
「ファンドの善し悪しを見極めるポイントは運用している人たちの経歴、熱心さ」。OBが個々の企業年金にAIJを勧めていたころ、金融情報誌のインタビューで述べた持論だ。浅川社長の熱意を買って指南をするうち、親密な関係になったとみられる。
浅川社長らは「自ら開発した売り買いの指標に基づき無理のない投資をしている」と説明しており、こうした説明を基にOBは、顧問契約を結んでいた全国の企業年金などに、AIJを紹介したと主張する。
自らが経営する年金コンサル会社の役員に一時、AIJ役員が就いていたことについては「当時、会社の書類関係など事務的なことはAIJ側に任せており、そういう状況になっていたとは知らなかった」と釈明している。
OBの話では、企業年金側への情報開示が少ないことを指摘したのがきっかけでAIJとの関係が悪化。4年ほど前にたもとを分かち、以降は浅川社長と連絡を取っていないという。
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AIJ 旧社保庁OBの人脈利用か(NHKニュース)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120303/t10013451181000.html
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AIJ投資顧問が預かった企業年金の資金のほとんどがなくなっていた問題で、旧社会保険庁のOBが、複数の企業年金に対し、AIJ投資顧問と契約するよう勧めていたことが分かりました。
このOBは、AIJ投資顧問から年間600万円の報酬を得ていたということで、証券取引等監視委員会は、契約の拡大に旧社会保険庁OBの人脈が利用されたとみて調べています。
東京の投資運用会社、AIJ投資顧問は、顧客の企業などから預かったおよそ2000億円の年金資金の、ほとんどがなくなっていることが分かり、業務停止の処分を受けました。
AIJ投資顧問と契約していた企業年金は、去年3月の時点で全国で84に上っていますが、このうち一部は、旧社会保険庁のOBの勧めを受けて契約していたことが、関係者やOB本人への取材で分かりました。
このOBは、退職後の平成16年、AIJ投資顧問側から出資を受け、役員2人を迎え入れて、年金の運用をアドバイスする会社を設立し、年金コンサルタントとして活動していたということです。
AIJ投資顧問からは年間600万円の報酬を得ていたということで、証券取引等監視委員会は、AIJ投資顧問が、旧社会保険庁OBの人脈を利用して契約の拡大につなげていたとみて、詳しいいきさつを調べています。
OBは「AIJ投資顧問だけでなく、ほかの投資運用会社も紹介していた。コンサルタントとしてよかれと思ってしたことだが、今回の件は残念だ」などと話しています。
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旧社保庁OBがAIJ紹介 年金基金に天下り23人 (共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201203/CN2012030301000971.html
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企業年金運用会社のAIJ投資顧問(東京)が顧客の預かり資産約2千億円の大半を消失させた問題で、旧社会保険庁(現・日本年金機構)OBが複数の年金基金の幹部に、AIJに資金の運用を委託するよう勧めていたことが2日、このOBへの取材で分かった。
AIJは、OBが運営するコンサルタント会社に資本金の半分を出資。社員を派遣し給与も支払っており、密接な関係にあった。同庁の幹部23人が、1999年8月~2010年9月までの約11年間で、全国の厚生年金基金の常務理事などに天下りしていたことも判明、同庁OBのネットワークでAIJによる被害が拡大した可能性が出てきた。
2012/03/03 06:15 【共同通信】
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AIJ投資顧問を厚生年金基金に紹介した社会保険庁OB74歳
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